卒業は、大切なものだけを
残すことができる。
私は、知っています。
すっかり陽が落ちてボールが見えなくなるまで、
ノックを受け続けた日々を。
雨の日は泥をかぶり、炎天下で汗にまみれて、
練習を重ねたことを。
初めて勝ち投手になった試合で、チームメイトが
泣いてくれたことを。
そんな君が肘に深刻な怪我をした日のことは
忘れません。
野球をあきらめた時、君のこころはどれほどの
傷を負ったのでしょう。
誰よりも野球が好きでたまらなかった君だからこそ、
部活の時間はつらい思い出になるのかもしれないと
思いました。
だから、中学の卒業式が過ぎたら、私は君との
別れがくると覚悟していたのです。
あれから、35年が経ちました。
君は何度も引っ越したけれど、いつも私を新居へ
連れて行ってくれました。
荷物を整理するたび、古びた私を左手にはめて
長い時間眺めていましたね。
私は、知っています。野球が大好きな少年は、
野球を愛する大人になったことを。
そして、あなたの子供が、野球をはじめたいと
話していることを。
スポーツに感動できる人がたくさん住む国の
未来は明るいと、わたしたちは信じています。
こころを動かす体験をひとつでもたくさん、あなたに。
ゼビオグループすべての人間の仕事です。
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